はつもの

いきてるよ~

爪が元気

爪を噛む癖がいまだに直っていないんだけど、初めて爪噛まない期間が一週間を越えたので、また爪がなくなってしまう前に記念として記事に爪ヒストリーを残しておこうと思う。
 
どのくらい短いかというと、右手の中指の爪がJoy-ConのLボタンの幅と一緒。親指は縦1:横3って感じ。
一般的な爪の半分以下しかないんじゃなかろうか。
爪半月(根元の白いところ)はない。
それぞれの爪の比率はちゃんとしてる人と変わんないと思うので、それを基準にほかの爪の長さも察してほしい。
 
 
生まれてこのかた、記憶にある限りず~~~っと咬爪症。
一番古い記憶は保育所の年少さんだったころで、その頃ににおともだちから「爪かむとたのしいよ!」ってお昼寝の時間に誘われたのがきっかけ。
友達は小学校に上がるころにはすっかりきれいなお爪になっていたけど、自分はといえばまんまと噛み続けていて、手の全部の爪が足の薬指の爪くらいしかなかった。
なんなら足の爪も噛んでた。ヨガみたいに足組んで。ばっちいね。
爪って手を使う限りずっと露出してる場所だから、爪が短いとすごく目立つ。なんにも知らない人から「なんで爪短いの?」って聞かれるのがしぬほど恥ずかしかったから、先述の友達のせいにして被害者面してた。友達は勧めた記憶ないみたいだったけど何回も謝ってくれてた。ひたすら申し訳なかった。
 
小学校に上がって、爪に違和感を持ってもわざわざ聞いてくる人はいなくなったけど、相変わらず恥ずかしかったし、爪噛み癖も治らなかった。
親もさすがにやめさせようとはしてくれてて、マニキュア塗ったり、にっがぁい爪噛み矯正用トップコートみたいなやつ塗ったり、噛んだ後のギザギザを毎回磨いてつるつるにしたり、全部の指に絆創膏巻いたり、矯正期間決めて噛まなかったらご褒美とか色々やった。私も本気で治したかったから頑張った。
びっくりするくらい効果なかった。マニキュアは剥がすの楽しくなっちゃって乾いたそばからメリメリ剥がしておまけに噛んでた。にっがぁいのは舌にあたらないように器用に歯だけで噛んだ。絆創膏は上からまるごと噛んだ。餌で釣るのも無意味。
つるつるにするやつだけちょっと噛まなくなったけど、代わりにヤスリで際限なく削りまくって深爪するようになったのでやめた。
作戦が失敗するたびに悔しくて号泣するくらいなら噛むなよって自分でもすげえ思ってたけど、気づくと爪がない、っていう無意識なことが大半だったので正直どうすればいいのか分かんなくて、それがストレスでさらに爪を噛む、みたいな負のスパイラル。親から「もう知らない。勝手にしな」って言われるたびに死んでも噛まねえ!!って躍起になったけど、親が断腸の思いで放ったであろう見捨て宣言すら効かなかった。
そのうち、親も何も言わなくなって、自分も半分諦めて過ごすようになった。
 
それでも、体が大きくなるにつれて爪の小ささがさらに強調されるようになって、自分で気にならないわけがなく。
転校したとき。進学したとき。バイトを始めたとき。恋人ができたとき。就活を始めたとき。就職が決まった時。イベントに行くとき。
「今度こそ」って何回思えば爪は伸びるんだろうって思いながらささやかに我慢を頑張ってみた。駄目だった。
周囲が爪をオシャレの対象に含める年齢になってそういう話題が出るたびに、手を隠して存在感を消すようになった。
テレビで「切断した体の組織を復元してくれる菌」の特集を見たときは、自分も指を切断してこの菌塗ったら爪が復元するんじゃないかなって期待した。
インターネットが使えるようになって調べたら皮膚科か心療内科で診てもらえるやつなんだって知って、地元の皮膚科に聞きに行ったら「噛まなきゃ伸びる」とかいう正論を繰り返されるだけで医者が嫌いになった。いや医者の言う通りなんだけどね。心療内科は通える範囲になくて行けなかった。
就職とかいう一大イベントですら治せなかったから、もう自分の特性として受け入れるしかないんだなって完全に諦めた。
あらゆる自信・根性・努力不足を爪が無いせいにするようになった。
 
紛うことなきコンプレックスと化した我が爪くんのことをどうして痛めつけてしまうのか考えなかったわけではない。
原因なんて関係ないのかもしれないけど専門家に聞いてないからわかんないし、自分ではそう思ってない。
爪周囲の皮膚もべりべり噛んでは出血・化膿。くちびるの皮もわずかに乾燥部分がささくれてればそこをべりべり剥いては出血。かさぶたも出血するか全部とれるまでべりべり。鼻も完璧に掃除できるまでティッシュ突っ込んでは出血。耳も毎日のように何もとれなくなるまで執拗に掃除して膿んで医者行った。
足の爪も、体が硬くなってヨガの体勢とれなくなってからも爪切りや指で削いでるから結局伸びてないし、膿むと歩くたびに激痛で地獄。
どれもこれも現在進行形。
思うに、自分が干渉できる部分が残ってるのに放置しておくっていうことができないんじゃないかと。悪い意味で完璧主義というか。ちょっとでも爪が伸びると「今なら爪噛めるやん!」って本能的に思っちゃうんじゃないかって。言い訳がましいけど。
咬爪症はストレス由来の症状(=自傷行為)って説もあったからもしかして病んでんのか?と思ったこともあったし、実際一人でなんかしてて考え込んだり不快指数高まったりすると指を口元に運ぶ頻度増えるからあながち間違ってないのかもしれないけど、自分の根本的原因はストレスではないと思ってる。幸せでも噛んでたから。
自分で考えて治せるレベルだったらとっくの昔に治ってると思うので、そのうち心療内科に聞きに行こうと思う。
あと「大人の爪って硬くて歯じゃ噛めなくない?」って思ったこともあるけど、自分の爪は強度0なので、もしかしたら爪の質の成長すら阻んでいるのかもしれない。
 
爪短くて恥ずかしい、っていうだけならまだマシ。
ところ構わずささくれを剝いてしまうので皮膚カス?がそこら中に落ちる。家でも会社でも。めっちゃゴミ。
噛んだ爪はちゃんと捨てるように心がけてるんだけど、たまに飲み込んでしまうことがある。それが喉に引っかかってて、後日思わぬタイミングで怒涛の咳を呼び起こすことになる。今のご時世これだけはマジで避けようと心から思った。そもそも爪噛みが全く衛生的じゃないからやめろって話なんだけど。
 
 
で、今、奇跡的に爪が伸びてる。
冒頭の「爪噛まない期間一週間越え」は正確ではなくて、右手の中指~親指と皮はいまだに噛んでる。悲しい。
きっかけとして考えられるのは、先般の4連休中ずっと実家にいたからかその間に伸びてたこと。人前では噛まないので、長期間他人と一緒に過ごすっていうのが現状一番効果的なのかもしれない。
左手の爪はもともと標的になる頻度が比較的低かったこともあって、5本とも順調に伸びてくれている。元気に育ってほしい。
追加で伸びた部分はまだ概ね白いんで、なんもしなくてもここが定着するのかが不安。ゴミ溜まるし刺さるし早いところピンク色になってほしい。
あと爪がこのまま綺麗に伸びても噛んでしまっては意味がないので、医者なりネイルサロンなりにちゃんと金出して根本的に治したいと思う。
 
ちょっとでも綺麗な爪見るのは気分がいい。この感覚を忘れてはいけない。
今まで生きてきた中で一番よく伸びてる。この機会を逃す手はない。がんばれ。