はつもの

いきてるよ~

音楽のことわからない

自分のような音楽リテラシー・感受性ゼロの人間でも好きな曲や思い出があるんだから、音楽っていうのがよっぽどえらい文化であることは疑いようがない。
名前を挙げて好きです!とはっきり言えるほど彼らの事は知らないけど、死ぬまで聞き続けるんだろうなあ、となんとなく思える程度にはなんとなく気に入っている。
 
好きなアーティスト四天王がいる。
マイケルジャクソン、ボカロ、米津さん、そしてザ・茶番。ハマった順。ビッグネームばっかり。
ボカロをアーティストで括るのは違う気がするけど、中高生の頃は本当にボカロしか聞いていなかったのでそう表現するしかない。
 
 
マイケルは世間的に有名な曲は全部好き。一番熱があったのは小学校~中学校の頃で、今でも定期的に聞き返している。
親がガチなファンで、自分は生まれた時からマイケルを聞いて育てられていたらしい。その甲斐あって(?)マイケルが超有名でイカしてる歌手だっていう認識は同世代の人よりも早めにしてたのかなと思う。ディズニーランドにマイケルのアトラクションが期間限定で復刻した時は、学校の定期テストの直前にも関わらず舞浜に連行された。行ってよかった。
小学校の頃は音楽そのものに微塵も興味がなく、親の車の中で流れてくると「これしってるよ!」ってキャッキャする程度のものだったが、マイケルが亡くなった直後にやっていたテレビのいろんな特集で観たマイケルがあまりにかっこよくて、生まれて初めて「好きなアーティスト」を意識することになった。
ただ、同じ学年の人たちはマイケルを「ケツアゴのおっさん」としか認識しておらず、学校でこの話をするたびに馬鹿にされるので「おまえらはThrillerのMVを観たことがないのか??」と憤慨していた。未だにマイケルの話をしてくれる人とは出会えていない。
マイケル本人の生い立ちもテレビで見た程度には知っているが、聞いてるだけで苦しくなってしまうのであまり詳しく知ろうという気になれない。だから今製作中だというマイケルの伝記映画の行く末と出来栄えが気になってしょうがない。観たいような、観たくないような。
Smooth Criminal、Who Is It、Ghostsがずば抜けて好き。MVも好き。
あと、これまでの人生で聞いた音楽の中で最もショックで頭から離れない曲がTabloid Junkie。
曲を特別好きになるまで翻訳された歌詞を読まない人間だったけど、英語歌詞で聞いてても不穏だなって思うキーワードがいくつかあって翻訳版を読まざるを得なかった。読んだらどこまでも切実な歌詞で、その説得力が尋常じゃなくて、キングと呼ばれるほどの世界的知名度を誇った人がこんな曲を書くのかっていう衝撃があまりに大きくて、不謹慎なんじゃないかってくらいこの曲がかっこよく感じられるようになってしまった。いや歌詞の印象に関わらずめっちゃかっこいい曲なんだけど…。サビが特に好き。たまに感極まって泣くくらい好き。好きっていうのもなんか表現として違う気がする。良い。
 
 
マイケルで「おんがくっていいかもしれない!」という心の回路が目覚めた自分にボーカロイドがドンピシャで刺さって、無事オタク側の人間になった。
兄弟がようつべに無断転載されてた有名曲を聴いてるのを一緒に聞くようになって、当時ネットの事なんか微塵も知らなかったもんだからそれが本家だと思ってて、学校でニコ厨に結構な本気で注意されたことがある。今思えばありがたい忠告なんだけど、当時キッズ全盛期の自分は内心「は?」って思ってた。無知は罪なり。
最初に好きになったパラジクロロベンゼンを皮切りに結構な曲数を聞いた。少なくとも当時の有名どころは網羅できていたと思う。ニコニコにアカウント作ってからは再生数多い順でボカロタグの動画垂れ流してた。
好きになる曲の傾向は今になってもよくわからない。
今でもたまにランキングをのぞいたりはしてるけど、いわゆる最近のボカロ曲はよくわからん。でもswitchで出たDIVAは買った。たのしい。
特に好きだったと今でも言えるPはEZFGさんと梨本ういさん。今でも定期的に聞き返してる曲は「不完全な処遇」と「梨本ういが僕を殺す」。
今は気に入った曲を延々とリピートするだけで全く冒険しなくなったので、このボカロ大好き時代が一番知らない曲の探求心が強かったと思う。ジャンルとして追おうとしていたのもあるけど、新しいものや知らないもの、流行っているものへの抵抗感が全然なかった。この頃の心を取り戻したい。
 
 
当然その時期にハチPは通っている。マトリョシカやパンダヒーロー、リンネあたりは必修レベルだったし、音が面白くて普通に好きだった。
メジャーデビューしたらしい、というのもゴーゴー幽霊船で知ったけど、dioramaリリース時にはさして米津玄師本人に興味はなかった。ボカロP時代のほうがよかった、とか、生声はちょっと…みたいなのもなかった。ただ単に関心がなくて、ゴーゴー幽霊船はやっぱりハチPの曲っていう感じではなかった。好きだったけど。
そう思ってるうちに2ndアルバムが出たらしく、ニコニコのランキングにYANKEEのクロスフェードが上がっていた。相変わらず関心は薄かったけど、サムネの絵や色がなんとなく気に入って、動画をポチってみた。
その軽率なワンクリックがビッグバンだとは露知らず。
一曲目のリビングデッドユースですでに半分心臓をギュッとされていた。単純に好みだったのもあるけど、まずもってここまで自分の音楽の好みを自覚させられるような曲を聞いたことがなくて、新感覚に鳥肌が立ってた。
いい音の連鎖に対応できず体が硬直してる間にもテンポよく曲が進んでいく。運命の曲は5曲目だった。
「運命」とかそういういうフワッとした単語あんまり使いたくないんだけど、メランコリーキッチンは自分にとって運命としか形容できない。
Bメロ後半が流れ始めた瞬間にブワァァッって鳥肌が一層増して、サビで腕がしびれて脳みそがボーっとなって表情がくちゃくちゃになった。自分がいま何を聞いているのかもちょっと分からなくなるような、一言にまとめるとすれば「衝撃的」とか「電流が走った」とか、とにかく今やべーもん聴いたって思った。そこで動画を一回止めて、もう一回メランコリーキッチンのとこだけ聞いて今の感覚が偶然じゃないことを確認して、アマゾンでCDを買った。これはフルで聴かなきゃいけないっていう使命感があった。
YANKEEが届くまでの間にクロスフェードを何回も何回も聞いた。全曲好きだった。届いてからは、寝る前にCDを一周してからメランコリーキッチンを延々リピートで聴くことだけを楽しみに日中をやり過ごした。当時ウォークマンもPCも持ってなかったから、これのためだけにCDプレーヤーを買った。当時ゲーム実況を見るのがなにより楽しくて、これに勝る趣味はないなあと思っていたのにメランコリーキッチンはいともたやすくその思い込みを破壊した。
思い出補正は否めないが、今でもメランコリーキッチンが一番好き。具体的に何が好きなのかはなかなか言語化できなくてもどかしいけど、なにもかもが好き。感覚的に恋に近いんじゃないかと思ってる。
今や国民的スターとなった米津さんのことはあの頃の100倍好きになっている。STRAY SHEEPとても良かった。正直YANKEEの次に好き。全部。
今度別記事で今の米津さんに対する所感をまとめたい。
 
 
米津さんがナンバーワンでオンリーワンという状況は今も変わらないんだけど、ビッグバン以降脇目も振らず米津玄師だけを聞き続けてきた自分に、今年の初めにちょっとした変化があった。
1年ほど前から継続して視聴している配信者が、深夜に酔いつぶれて号泣し寝落ちする、という事件があった。その語り部のいなくなった配信でずっと流され続けていたのがザ・茶番だった。
それまでにも何度か「このバンドがいいのよ」と布教しているのを聞いたことがあったが、ちゃんと曲に耳を澄ませたことがなかった自分はそこで初めてちゃんと歌詞を聞いて、意外といい曲だな、とだけ思った。
一晩限りの感想だと思って特に気にしていなかったんだけど、翌日の日中、妙にその時聴いた曲が脳内再生されてどうしてももう一度聞きたくなってしまってTSを観た。昨晩よりもずっと良くて、これはもしかして好きなのでは?と思って、試しにCDを買ってみることにした。
配信者が市場に出回ってないって言っているのを覚えていたので、半分冗談のつもりでアマゾンを覗いたら結構あったから、曲数が多そうなやつを適当に何枚か買って聞いてみた。
歌詞が非常に生々しくて自分の思想と地続きの位置にあるがために反発心が湧くような曲もあったけど、逆にスゥーっと脳みそにフィットする曲が多くて、全部聞き終わるころにはまるで数年前からこのバンドのことが好きだったような錯覚にとらわれていた。
もちろん、CDは追加で探した。アマゾンとヤフオクだけで大方そろったのは幸運だった。タワレコのHPや茶番ファンの人の大昔のまとめブログなどを徘徊しながら、なんとかデモテープ以外の茶番名義のCD9枚を揃えることに成功した。
俺が俺がぁずも探していたけど、堂々動しか見つけられず配信者に「持ってませんか?」とメールまで送ってしまった。CDコンプの達成感に酔っていたので相当うざい文面になっていたと思う。申し訳ない。
それ以降、米津さんを差し置いて茶番をメインで聴くようになった。どこかで聞いたことあるような曲調のものも多いけど、演奏の音がとても好みで、何より歌詞の威力とボーカルの声が好き。
大体の曲はアカペラで歌えるようになったと思う。歌詞は自己解釈もついてますます脳みそに馴染んで、大好きになった。ようつべに上がってるテレビの切り抜きとかライブ映像とかも何回も見てる。
茶番についても書きたいことが山ほどあるので後日別記事にまとめる予定。一番よく聞くのは「おんぶ」の茶道バージョン。
 
 
これが音楽歴の9割。ほかにも好きな曲はいくつかあるけど、大体友人か配信者の影響で聴いていたものなので、今度気分が乗ればそれも文字に起こしておこうと思う。
基本的に曲にしか関心が向かない傾向がある。マイケルは俳優としての顔を全然知らないし、ボカロも作曲者を覚えてないことが多い。米津さんも生い立ちとかラジオとか自主的に聞くことないし、茶番は調べ方がわからない。
ジャズもずっと好きになりたいと思っていていろいろ聞いてるんだけど、一定の好感はあってもそれ以上刺さらないので素質がないのかな、と思っている。
今は新アルバム発売直後ということもあってまた米津さんメインに戻っているけど、茶番もメンタルコントロールのために定期的に聞いてる。この二者はきっと一生好き。
 
音楽のことわからない、だけども聞き続けていたいよ
おこがましいかもしれないけど~思うよ~(キイチ)