はつもの

いきてるよ~

大して重くないや

ザ・茶番との出会いや影響については先日の記事に書いたので、今度は曲について書く。
自分の中のザ・茶番を語るうえで、そして自分のメンタルコントロールを考えるにあたって、『おんぶ』という曲は絶対にはずせない。
わざわざ注釈することじゃないけど、2020年9月現在の自分の中にある『おんぶ』について書いているので、未来の自分にとっては全く共感できないものかもしれないことは断っておく。
 
 
『おんぶ』は例の除雪車配信では聞いた覚えがないので、初めて聞いたのはアルバム「濃縮茶汁」。でも茶道ver.の方が好み。
イントロで既に好印象だったことを覚えている。純粋に音が好き。
特筆すべきは言うまでもなく歌詞で、まぁ~刺さる。これでもかってくらいストレートに脳にグサグサ刺さる。茶番なのでそれが特色なんだろうなっていうのはなんとなく察していたけど、こんな強い曲ある?って思った。思い当たる節がある自分には痛快すぎる曲で、一発で好きになった。単純な”好き”の具合だと他の曲と甲乙つけられないけど、信頼度合いで言ったらそれはもう群を抜いて1位だ。
 
なぜそこまで刺さったか。
過去の失敗や恥を何度も詳細に思い出してしまっては、それに数日間気分を引っ張られて鬱々しい気分になったり突飛な言動をしたりして、苦しいし体力や時間の無駄だしやめたい!って長年思ってたのに自力で対処する術が見当つかなかったからだ。
恥、例えば、某界隈キッズだったころに特に好きでもない配信者にクッソ気色悪いコメント添えてスパチャした時に言われた「はい気持ち悪い」とか、イキリまくってた頃にツイッターで炎上しかけてフォロワーの手で2ちゃんに晒されたこととか、ザ・茶番を布教してくれた配信者の配信でリアルタイムでおんぶ聞きたくてしつこくリクエストしたこととか。自業自得すぎる。文字に起こすのもまだめちゃくちゃしんどい。
「気分転換」がカギだと思って、そういう事態に陥った時は多少無理してでもちょっとアクティブになってみたり隙間時間を埋めるよう心がけたりしてみたけど、お風呂に入っているときや車の運転中、寝る前とかのどうしても脳みそが空になる時間に奴はやってきてタイムスリップさせようとしてくる。「ああしておけば」「やらなきゃよかった」って、もう干渉できないのに正当化の方法を考えてしまう。そして今できることへのMPが消耗していく。ツイッターしてる時間の100倍無駄だってわかってるのに抜け出せないのがほんとにしんどかった。
 
 
それをぶち壊してくれたのが『おんぶ』。理由は歌詞を読んで字の如し。
だってさ、歌いだしていきなり「結論、過去は消えません、おしまい」って。そんなん言われなくてもわかっとるわい!っていう反発を消し炭にする端的なド正論の威力たるや。たった一文で、しかも一言目に「結論」「おしまい」って言われたらウス!ってなる。いきなり反論の余地がない。最初に聞いたとき、確かここで笑っちゃったような記憶がある。
しかも何発も追い打ちが来る。「過去は不変、そう簡単に忘れられるもんじゃねえ」っていうそれだけを表現するための歌詞に往復ビンタを食らう。Aメロ全部それに費やしてんだから効かないわけがない。そしてその往復ビンタが気持ち良くて気分がだんだんすっきりしてくるもんだからもうこの時点で完敗なのである。
 
Aメロではたかれまくって赤く腫れた頬に、Bメロ~サビはキンッキンに冷やした濡れタオルで喝を入れに来る。聞くときの自分のコンディションによっては、ぬるま湯で濡らしたタオルを当てられている気分にもなる不思議。
解釈も何もほんとに歌詞そのまんまなので捉え方の問題でしかないけど、叱咤とも開き直りともとれる物言いが感情になじみやすい。素直に受け入れやすくて、そして強く歌ってくれるから、悶々とした回想を映してる脳内モニターに「これは失敗でした!!」って極太油性マジックペンで落書きされて現実に引き戻してくれるうえに、よっしゃ~おいらの醜いところ背負うで~っていうポジティブさを強制的に与えてくれる。
散々うなされた過去の悪行たちも、いざよっこらしょって背負ってしまえばマジで大して重くないこともあれば、背負いきれないって感じても大して重くないって意地を張ってみれば案外何とかなることもある。それは過去に振り回されてたらわからないこと。背負ってみて、もしくはこっちが振り回すつもりで引き摺ってみて初めて絶対消えない未練たちとの付き合い方が見えてくるんだなって知れた。
自分の脳みそが単純だからこの曲ひとつでここまで気分の切り替えができるのかなとも思うし、過ぎたことはそれだけ単純で自分の背中ひとつで間に合うような代物だってわざわざ曲にして説教してくれてるんだろうとも思う。そりゃそうでしょって分かりきってることでも、自分の中で反芻するのと他人から言葉ではっきり聞かされるのとでは感じ方も影響も全然違う。
 
 
何度、どんな状況で聞いてもおんなじ結果になるのは音楽っていう表現方法の強みなんだろうか。思考回路がショート寸前になったときはお気に入りの文章を読んで脳内を上書きするようにしてるんだけど、このタイムスリップ鬱にそれは効かなかった。文章は考えながら読むから意識リセットしやすくていいけど、読むときのコンディション次第で文章の意味そのものが自分にとって何の効果もなかったり余計に凹んだりすることもある。音楽には詩に加えて音があって、演奏で曲のテンションが固定されてるから効いてる側も受ける印象が固定されやすい、とかそういうことだろうか。匂いと同じで、一番よく聞いてた時の心情が曲に乗り移る説も一理ある。
『おんぶ』は音のノリが軽快なのに地に足ついてるというか、言葉をすんなり受け入れるために耳をほぐしてくれるような質量のある心地いい音で、そこに言葉がポンポンとのってくるのが「そんなしょーもねえことでしみったれてんじゃねえよ」的なカラッとした救済になってるんだなぁ~って思う。
いや茶番は別に忘れたい過去を「しょーもねえこと」とは書いてないし、逆にそういう過去ってマジ重てえよなって思ってる歌詞に聞こえてるけど、おんぶしちめえよ、前向けよ、的なテンションの曲だから多少の強引さを感じる。その強引さがこの曲のいい所であって、でもあらゆる状況で救いになるような曲ではなくて、メンタルしなしなへにょへにょの時にこれ聞いたら抵抗力ゼロだからそのまま心もげる。
しなへにょの時はほかの手段で湿気を出し切ってから仕上げとして、とりあえず後ろや下以外の方向を向きたいときに聞くとより効果的。
 
 
全体的に衝撃性の高い歌詞だし一言残らず全部好きなのでピックアップするのが難しいけど、あえて印象的な部分を挙げるとしたらやっぱり「全部忘れたらあんたいよいよホントの馬鹿だよ」だろうか。ここはオミちゃんの歌い方もあいまって一番ドキッとする。叱られてる時のような緊張を感じる。実際お叱りの言葉なんだけど、そういう歌詞聞いてて自分事だと思ったことがないので新鮮だった。
あと、「人を崇めてばかりで己すらもヨイショできなくてどうすんの?」も絶妙だなって思った。最初聞いたときここちょっとテイスト違うなって感じた。たらればを考える時って少なからず自分を否定してるし逃避&自己肯定感下がりがちなところにこの叱咤風の軟膏。カバー範囲広~って思った。
開き直りじゃなくて見切りをつけてるのがいい。何かを諦めるのって難しいことだけど、こうも覚悟満々で強気に歌われたら便乗するしかねえ!忘れるの諦めるしかねえ!ってなっちゃうんだよなあ。
 
 
 
ここまでたらたら感想書いたけど、Youtubeに上がってる『おんぶ』が世に出たときの放送の切り抜き見たら自分の言いたいこと全部出演者が言ってて。
一曲流れた後のヒロミの「んん↑ん~~~~~~~~~んん↓~~~~~…ィいいっ!」に全部こもってる。わかる。
「一行目が出てきたところでもう茶番だなっていうのがでちゃうのすごいっすね」って言ってるおじさん、わかる。ほんそれ。
「未練」がテーマに含まれてそうだなっていうのは聴いてりゃ嫌でもわかるけど、きっかけが恋愛の相談メールとは想像してなかった。でも恋愛の未練ってなにより根が深いから絶対忘れられないよなって思ってたらオミちゃんも同じこと言ってるし、強い曲になるのは納得だったし、「結論」って言ってる通りあの一言目がすべてなんだなって分かってこれから聞くときにさらに威力が増すなあって思った。あと哲学ソングって言われててわろた。
「忘れたいんです!」っていう至極真っ当な願望に「無理です!」って即答できる価値観を、「歌詞で聴かせる」って葉加瀬さんも言ってたけど歌詞にそのまんまのインパクトで出せるって天才じゃない?天才。
というか番組の企画でできた曲だって知ってかなり驚いた。他にも何曲かあるみたいね。令和の今助けられてる人間がここにいます。ザ・茶番、ソングラ様様。ありがとう。
 
 
文字に起こすの難しいねえ。。。
8割くらいは書けたと思うけど、自分が『おんぶ』聞いてる時の高揚感やありがたさがいまいち表現しきれない。
配信でリクエストして流してもらった時は配信者はこの曲をスキップしようとしてたから印象の個人差が大きい曲なんだろうなと思って、大して好きじゃない人もいればこの曲に命預けてる奴もいるんやでって残しておきたかった。
自分の葬式のテーマソングにしてほしい曲No.1なんだけど誰かしらに怒られそう。
 
『おんぶ』でさえ背負いきれないようなことを自分でやらかすとは思っていないので、この曲さえあれば死ぬまで生きていられる気がする。
生き恥も後悔も未練も全部よっこらしょ~のしょ~!